2023年10月1日に開業した佐賀県嬉野温泉の最新旅館「嬉野八十八(うれしのやどや)」に宿泊してきました。嬉野温泉といえば、2022年9月に西九州新幹線が開通し、交通の便が格段に良くなった今注目の温泉地。そんな嬉野温泉で今注目を集める最新旅館「嬉野八十八(うれしのやどや)」のコンフォートデラックス(夕朝食付き)に宿泊してきたので、早速中の様子をレポートしたいと思います。
この記事ではこんなことがわかります✏️
– 嬉野八十八とはどんな旅館か
– 嬉野八十八の部屋の種類
– 嬉野八十八コンフォートデラックスのお部屋紹介
– 嬉野八十八の夕朝食
– 嬉野八十八ティーセレモニー 嬉野茶会 十徳
– 嬉野八十八館内設備
嬉野八十八(うれしのやどや)とは
うれし、うるわし、茶とかけ流しの湯宿「嬉野八十八(うれしのやどや)」は、全室源泉掛け流しのお湯が楽しめる嬉野温泉の中でも珍しいお宿(日本三大美肌の湯である嬉野温泉の中でも源泉を持つお宿はほとんどなく、大部分のお宿は源泉を持つ宿からパイプで引っ張っているそう)。また、お茶をテーマにしたさまざまな仕掛けを施しており、現地特産の嬉野茶が随所に盛り込まれています。
スタッフに聞いたところ、八十八(やどや)は宿屋(やどや)と掛かっているそうで、「88」という数字にこだわりを持っています。嬉野八十八で提供される食事は嬉野から88km圏内のものだけを使用しているそう。地元に根ざした事業展開を行っています。
なお、旅館運営はJR九州ホテルマネジメントが行なっています。元々この場所には神泉閣が1940年から2008年、ファミリーホテル神泉閣が2010年から営業していましたが2018年に閉業、その跡地に新規で建てられた旅館です。
旅館名 | 嬉野 八十八(うれしの やどや) |
住所 | 〒843-0301 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿丙2400-30 |
電話番号 | 0954-20-2188 |
開業日 | 2023年10月1日 |
客室数 | 36 |
アクセス | JR西九州新幹線嬉野温泉駅から送迎バスで約7分 嬉野温泉バスセンターから徒歩約3分 |
嬉野八十八(うれしのやどや)の部屋タイプ
嬉野八十八には36のお部屋があります。大きく分けて八十八別邸と母屋の2つの棟から構成されており、具体的な部屋タイプは以下のようになります。
場所 | 部屋タイプ | 大きさ | 部屋数 | オールインクルーシブ | 主要設備 |
母屋 | ジュニアデラックス | 45平米 | 全14室(3-4階) | – | 温泉風呂 |
母屋 | コンフォートデラックス | 69平米 | 全10室(3-4階) | – | 温泉半露天風呂 テラス |
八十八別邸 | プレミアムスイート | 78平米 | 全6室(1階) | ○ | 温泉半露天風呂 テラス 庭 |
八十八別邸 | プレミアムスイート(ワンちゃんルーム) | 78平米 | 全2室(1階) | ○ | 温泉半露天風呂 テラス 庭 |
八十八別邸 | ラグジュアリースイート | 100平米 | 全4室(1階) | ○ | 温泉半露天風呂 ロウリュウサウナ 水風呂 テラス 庭 |
ジュニアデラックスでも45平米と十分な広さですが、一つ上のコンフォートデラックスと比較するとかなり大きな開きがある印象(+24平米)。また、全室お部屋に温泉が付いていますが、ジュニアデラックスだけは半露天ではありません(半露天=お風呂に窓がついており、外が見える様子のこと)。母屋は1階がレセプションやラウンジ・バー・露天風呂などの共用エリアで、2階がレストランの設定、3-4階がデラックスタイプのお部屋が位置する場所です(建物自体は4階建て)。
現地に行ってみてわかったのですが、周辺には大きな建物がないため、3-4階どちらでも景色は大きくは変わりません。ただ、コンフォートデラックスは全室が別邸がある方面を向いており、別邸を上から見下ろしつつ、遠くの山々を眺めることができる一方、ジュニアデラックスは全室駐車場側を向いている点が異なるようです。とは言え、海が見えるリゾートではないので、そんなことは全く気にならないと思いますが。
別邸にはスイートのみが位置しています。スイートルームの特徴はオールインクルーシブであることでしょう。夕朝食やお茶セレモニーが含まれており、お酒類も飲み放題だそうです(実際の内容は旅館に確認を)。母屋に素泊まりプランがあるのとは違いますね。ラグジュアリースイートになるとお部屋にサウナまでついていますが、共用露天風呂にもサウナはあるのでそこまで必要性は感じない気がしました。
旅館送迎サービス
嬉野八十八にはJR嬉野温泉駅から無料の送迎車があります。往路は前日までの予約制、復路はチェックイン時に確認されますので、利用希望の方は忘れずにチェックしましょう。JR嬉野温泉駅からは路線バスがお宿近くの嬉野バスセンターまで所要時間約10分ほどで運行していますが、本数が少ないので。逃すと25分近く歩くことになります。
送迎バス
嬉野温泉駅=>宿 14:30、15:20、16:20
宿=>嬉野温泉駅 9:40、10:40、11:10
旅館の様子
それでは早速嬉野八十八の中の様子を見ていきましょう!見どころ満載ですよ〜♪
エントランス
道路に面した敷地の入り口からは広い駐車場とその奥に旅館の建物が見えてきます。
手前に見えているのが母屋(4階建て)、八十八別邸は奥に位置しています。入り口付近が少し紅葉していました。
旅館らしい佇まいですねえ。
レセプション
母屋の中に入ると、まずは豪華なオブジェがお出迎え。右手に進むとレセプションがありますが、チェックイン時はこちらで靴を脱いで上がっていきます。靴はスタッフが靴箱にしまって置いてくれますよ。
レセプションはこちら。基本的にはチェックアウト時のみ使用するようです。私たちは母屋のコンフォートデラックスに宿泊でしたが、チェックイン手続きは全てお部屋で行われました。
レセプション前には嬉野八十八を表す「うれし、うるわし、嬉野茶とかけ流しの湯」が。
カードキーは木製のおしゃれなキー。お茶をイメージできる緑色の革製ケースがワクワクさせてくれます。
この後、館内のいくつかの設備を説明を受けるのですが、そちらは記事後半でご紹介します。
お部屋の中(コンフォートデラックス)
この日宿泊したのは4階のコンフォートデラックスのお部屋。コンフォートデラックスは3-4階に5部屋ずつあるようですが、高層階の方が嬉しいですね!
フロアの間取りは以下のようになっています。69平米あるコンフォートデラックスは下側に5部屋並んでいます。
高級感あふれる廊下を進んでお部屋へと向かいます。
各部屋には異なる名前がついています。例えば409号室は「ひめみどり」という名前です(今回宿泊したお部屋とは異なります)。
お部屋全体
それではお部屋の中を見ていきましょう。中に入ると玄関があり、左手にお手洗い、奥にメインのお部屋があります。玄関と言っても靴やスリッパは履いていませんので、そのまま入室する流れです。
手前にはソファーとテレビのエリア、奥にダイニング、そしてバルコニーエリアとなっています。
ベッドルームは向かって左奥に、ウォークインクローゼットや温泉半露天風呂も左手奥に位置しています。
横から見た図。69平米もあるので、かなり広いお部屋の印象です。ソファーとダイニングの間にカウンター型の棚があるので、2つの空間を上手に分けられているように感じました。
リビングルーム
それぞれの場所を細かく見ていきましょう。手前のリビングルーム(便宜上そう呼んでいるだけ)にはお茶をイメージできる緑色が印象的なソファーと70インチほどはある大きなテレビがあります。
ソファーテーブルには嬉野八十八のコンセプトでもある88kmをイメージした地図が埋め込まれています。
テレビには館内案内やWiFiパスワードなどの情報表示があります。外付けのスピーカーもあり音響は十分すぎるほどです。
フロントへの内線はこちらのタブレットから行うことができます。いわゆる内線電話はありません。
ダイニングテーブルは4人がけには十分すぎるほどの広さ。パソコンを広げたり食事をしたり。
お茶バー
お部屋の中央にはお茶を作るためのさまざまな道具と流しがついたお茶バーがあります。嬉野茶を推している旅館ならではの設備。
壁側にはお部屋の中でいただくことができるお茶3種類とお茶菓子、持ち帰り可能なタンブラーがあります。タンブラーについては持ち帰り可能なのですが、口コミで「説明を受けず持って帰ることができることを知らなかった」という声も。確認しましたが、タンブラーは持ち帰り可能ですよ!
タンブラーは持ち帰り可能
お茶は青ほうじ茶、玉緑茶、玄米緑茶の3種類(お茶缶は持ち出し禁止)
お茶菓子は八十八うんどら(4種類のどら焼き)
お茶を作る際に利用可能な流し付き。使用したグラスを洗ったりすることも可能です。
お茶を淹れる際には非加熱の佐賀の天然水を。デロンギの電気ケトルでは細かく温度設定ができ、お茶の缶に記載された適正温度に設定することで、最高の状態でお茶を愉しむことができるようになっています。
ビーカーで正確に水の量を測り、砂時計で正確に時間を測る仕組みが各部屋に整っています。この器具は、1階にあるお茶セレモニーでも使用しているもので、セレモニーに参加した後に使用すると、よりワクワク感が増します。
ベッドルーム
ベッドルームはツインベッド構成。間にドレッサーを置いた豪華な間取りです。
鏡付きのドレッサー。お部屋に合わせた木製の素敵な一品。
置き時計はJBLのデジタル時計。
ウォークインクローゼット
お宿にクローゼットがあることはよくありますが、ウォークインクローゼットというのはちょっと特別感がありますよね。スーツケースなども全てこちらの空間に収納可能だったので、お部屋をきれいに広く使うことができました。
棚も木製にこだわっています。
部屋着は上下セパレート型、靴下もついています。館内の共用スペースや夕朝食会場でも着用可能で、ほとんどの宿泊客が部屋着で食事をしていました。
施錠可能なセーフティーボックスも。
こちらの巾着袋は露天風呂に行く際などにスマホなどを入れるためのものですが、持ち帰り可能とのことでした。
ウォークインクローゼット内にはちょっとした物置台もあります。
バスルーム(温泉半露天風呂)
洗面台は広々とした2面設計。2人で同時に使用しても全く問題ありません。向かって右側には男性用化粧品、左側には女性用化粧品が配置され、それぞれ別の内容というあまり見ないスタイル。
ドライヤーはダイソンのスタイリッシュなものを。
男性用化粧品には人気のBULK HOMMEを。
女性用にはCHOOSEのダブルクレンズなどが揃っています。
洗面所の下にはちょっとした椅子も。アメニティやタオル類も収納されていて、スッキリとした印象。
温泉半露天風呂は広々とした設計で、奥の窓から光が素敵な印象。常に温泉が流れ出ているちょっと贅沢な部屋風呂です。
温泉らしい木製の桶が置かれていました。
トイレ
お手洗いは入り口を入ってすぐにあります。専用の水回りも用意され、贅沢な作りとなっています。
バルコニー
コンフォートデラックス以上にはバルコニーがついています。このエリアはバルコニーではありませんが、窓の奥のバルコニーを見渡せる位置に、くつろげるベッドタイプのソファーが用意されています。
お部屋に対してこの広さ。とても贅沢な空間です。
母屋のバルコニーはちょっと狭めですが、それでも外で椅子に腰掛けながら過ごすことができるのは嬉しいですね。
部屋からの景色
コンフォートデラックスは八十八別邸側に位置しているので、3階でも4階でも眺めには別邸が入ります。周囲に大きな建物がないので、遠くの山々までしっかりと見えます。
その他設備
お茶バーのカウンター下には冷蔵庫やグラス類を収納した引き出しがあります。
冷蔵庫+大きめの冷凍庫(上段)のほか、珍しくワインセラー(左)までついている豪華仕様。
ワイングラスも揃っています。
室内には、今や定番となった空気清浄機が。
共用スペース
嬉野八十八は共用スペースが充実しており、お部屋だけでなく旅館の中も散策したくなる仕掛けがたくさんあります。
ティーセレモニー「嬉野茶会 十徳」
嬉野八十八のハイライトと言ってもいいのがこのティーセレモニー「嬉野茶会 十徳」。事前予約制(一部の客室プランを除き有料)で、嬉野八十八専属茶師が嬉野茶の淹れ方や味わい方、お茶にぴったりの茶菓子などを教えてくれます。
この日参加した回は6人満席での実施。30分で計3杯のお茶を丁寧な説明を受けながらいただきました。ビーカーや温度計を使って湯覚ましをしたり温度調節をするシーンはなかなかみられないので、必見です。