台湾の南部の嘉義県にある阿里山は、ご来光やお茶で有名な一大観光地。台湾各地だけでなく、海外からもその景色や食を求めて阿里山まで観光へ出かける人が大勢います。
そんな阿里山方面には電車やバスが走っているのですが、アクセスの難易度が高いことでも知られています。阿里山と一括りに言っても、さまざまな観光スポットがあるので、どこへ行ったら良いのかきちんと整理しておく必要があります。また、阿里山鉄道やご来光鑑賞用の祝山線は予約制だったりするので、無計画で行くと後悔することになります。
この記事では、嘉義市内(台湾新幹線嘉義駅、台湾鉄道嘉義駅)から阿里山へ行く方法を詳しくまとめていきます。
この記事でわかること
– 阿里山と呼ばれるエリアの位置関係
– 嘉義市内から阿里山方面への交通アクセス
嘉義市内と阿里山の位置関係
阿里山(日本語読み:ありさん、中国語読み:アーリーシャン、拼音:ā lǐ shān)と呼ばれるエリアは台湾南部の都市「嘉義」県の最東部にある山地一帯のことで、お隣「南投」県との境にかなり近い山間部です。
下記の地図の右側にある阿里山、沼平、神木、祝山一帯のことを一般的に阿里山と呼びます。
スマホで見ている方は画像を拡大してご覧ください↓
日本から嘉義への直行便は就航していないので、まずは台北(桃園・松山)や高雄から台湾新幹線・台湾鉄道・高速バスで嘉義まで移動するところから始まります。
阿里山一帯の玄関口は阿里山鉄道阿里山駅周辺および阿里山バスターミナル(阿里山轉運站)ですが、台湾新幹線嘉義駅(高鉄嘉義)や台湾鉄道嘉義駅(台鉄嘉義)からは路線バスで2時間30分の距離。
阿里山名物の阿里山鉄道を利用する場合はさらに複雑。本来は阿里山鉄道の本線は嘉義 – 沼平区間ですが、度重なる倒木などにより2011年以降は部分運行を継続。2024年現在は嘉義 – 奮起湖 – 十字路間しか運行していません。つまり、阿里山駅まで阿里山鉄道1本で行くことはできません(バス乗り換え必須)。
阿里山一帯に入ると部分的に運行している区間があり、神木線(阿里山 – 神木間)、沼平線(阿里山 – 沼平間)、ご来光用の祝山線(阿里山 – 祝山間)があります。その他にも水山線、眠月線がありますが、共に長らく工事中で運航の目処は立っていません。
上記の地図を見ればわかりますが、路線バスでも阿里山鉄道でも大変な山間部を通る行程で、ぐねぐねした道が距離に対して大幅な時間を要す原因になっています。
ここからは、この複雑な阿里山一帯へのアクセスを一つずつ見ていきたいと思います。
旅の起点は嘉義駅から
まずは台湾新幹線嘉義駅または台湾鉄道嘉義駅まで向かいましょう。高速バスで移動する場合は台湾鉄道嘉義駅前にある嘉義バスターミナルへと向かうこととなります。
移動方法 | 区間 | 所要時間 | 料金 |
台湾新幹線 | 台北 – 嘉義 | 1時間40分 | 普通車指定席 NTD1,080 |
台湾鉄道 | 台北 – 嘉義 | 2時間30分〜3時間50分 | 特急普通車指定席 NTD598 |
高速バス | 台北 – 嘉義 | 4時間 | 1618 統聯客運(Ubus) 1834 國光客運 NTD440 |
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台湾新幹線の時刻表と料金詳細は以下からどうぞ!
台湾鉄道の時刻表と料金詳細は以下からどうぞ!
台湾新幹線嘉義駅の場所はこちら
台湾鉄道嘉義駅の場所はこちら
嘉義バスターミナル(嘉義轉運站)の場所はこちら
嘉義市内から阿里山への移動方法
ここからは、嘉義市内(台湾新幹線嘉義駅、台湾鉄道嘉義駅)から出発する際の移動方法を解説します。観光客が利用する主な移動方法は以下です。
出発地点 | 移動方法 | 所要時間 | 料金(大人) | |
台湾新幹線嘉義 | 路線バス | 7329 台湾好行シャトルバス A線 台湾新幹線嘉義駅 – 阿里山バスターミナル | 2時間30分 | NTD278 |
台湾鉄道嘉義 | 路線バス | 7322 台湾好行シャトルバス B線 台湾鉄道嘉義駅 – 阿里山バスターミナル | 2時間30分 | NTD251 |
台湾鉄道嘉義 | 阿里山鉄道 + 路線バス | 阿里山鉄道 嘉義 – 奮起湖 7329 台湾好行シャトルバス A線 7322 台湾好行シャトルバス B線 奮起湖 – 阿里山轉運站 | 2時間30分 + 1時間30分 | NTD384 + NTD98 |
(参考) 台湾新幹線嘉義 | シャトルバス | 台湾新幹線 – 台湾鉄道駅間移動用 7212、7211 高鉄快捷バスBRT(シャトルバス) 台湾新幹線嘉義駅- 台湾鉄道嘉義駅 | 20分 | シャトルバス NTD48 (新幹線チケット提示で無料) |
上記以外にも路線バスの候補はたくさんありますが(紹介しているブログがありますが)、乗り換えが多かったり、観光客が少なかったりする路線なので、それらはできるだけ避けた方が無難ですね。
では、それぞれの移動方法について詳しく見ていきましょう。
路線バス(台湾新幹線嘉義駅 – 阿里山バスターミナル)
台湾新幹線嘉義駅から1本で阿里山の玄関口である阿里山バスターミナル(阿里山轉運站)まで向かう方法です。バスに座って目的地まで運んでくれればそれでいいという方は路線バスが一番いいと思います。
この路線は台湾好行シャトルバス A線 7329番で、車両は高速バスのような着席型の大型バスなので、座って目的地まで行くことができます。
所要時間は最速2時間30分で1日4本、ほとんどが午前中に台湾新幹線嘉義駅を出発する設定です。一部のバスは途中阿里山鉄道の「奮起湖駅」を経由するため、所要時間が長くなります。料金はNTD278。悠遊卡があった方が現金を使わずに済むので便利ですね。
台湾好行シャトルバス A線 7329番の時刻表はこちら
台湾新幹線嘉義駅に到着したら、下記写真右側にある出口方面へ向かいます。駅前のバス停が見えてきます。
阿里山バスターミナル(阿里山轉運站)方面のバスは7番バス停(7號月台)から出発します。
およそ2時間30分で目的地の阿里山バスターミナルに到着です。
で、このバスはすごく便利なんですが、1つだけ厄介なところがあります。それが事前予約制を採用している点。当日飛び込み乗車もできるのですが、満席の場合は乗れない可能性があります。1日4本しかないのに乗れない可能性があるのは厄介です。事前に台湾のFamilymartにあるFamily Portで予約が可能なんですが、観光客にとっては現実的ではないですね(台湾到着日に試してみるのはありですが)。一応、FamilyTicketWebサイトでの予約が可能ではあるのですが、日本人にとってはかなり難易度が高いです。
当日乗車および事前予約については公式サイトでも説明があります
路線バス(台湾鉄道嘉義駅 – 阿里山バスターミナル)
続いては台湾鉄道嘉義駅から阿里山バスターミナル(阿里山轉運站)まで向かう方法です。こちらもバスに座って目的地まで運んでくれればそれでいいという方には向いています。
この路線は台湾好行シャトルバス B線 7322番で、車両は高速バスのような着席型の大型バスなので、座って目的地まで行くことができます。
所要時間は最速2時間30分で1日10本、ほとんどが午前中に台湾鉄道嘉義駅を出発する設定です。半分は嘉義駅始発、残りは1つ前の大雅が始発です。一部のバスは途中阿里山鉄道の「奮起湖駅」を経由するため、所要時間が長くなります。料金はNTD251。悠遊卡があった方が現金を使わずに済むので便利ですね。
台湾好行シャトルバス B線 7322番の時刻表はこちら
台湾鉄道嘉義駅に到着したら、「前站」と書いてある方へと向かいます。
こんな感じで前站と後站は線路挟んでお互い逆の方向にあります。
下記写真の真ん中あたりにあるバス停から発車します。
およそ2時間30分で目的地の阿里山バスターミナルに到着です。
そして、こちらも事前予約制を採用しています。当日飛び込み乗車もできるのですが、満席の場合は乗れない可能性があります。事前に台湾のFamilymartにあるFamily Portで予約が可能なんですが、観光客にとっては現実的ではないですね(台湾到着日に試してみるのはありですが)。一応、FamilyTicketWebサイトでの予約が可能ではあるのですが、日本人にとってはかなり難易度が高いです。
当日乗車および事前予約については公式サイトでも説明があります
阿里山鉄道 + 路線バス(阿里山鉄道嘉義駅 – 奮起湖 – 阿里山バスターミナル)
阿里山鉄道を使って阿里山に行くのが最も時間がかかる方法になります。というのも、阿里山鉄道は険しい山間部を走行するため速度が出ず、阿里山手前の奮起湖までで2時間30分も要してしまいます。また、そこから路線バスでさらに1時間30分となり、合計4時間コースです。
それでも阿里山鉄道は最も人気なアクセス方法でもあるのです。険しい山間部を走る阿里山鉄道は、台湾では他にない稀有な存在で、車窓観光も楽しめる観光コンテンツでもあります。そのため、人気が高く、指定席予約はきちんと準備しないと購入できないことさえあり得ます。
阿里山鉄道は阿里山方面の本線・支線の総称ですが、本線は2024年現在は嘉義 – 奮起湖 – 十字路間のみの運行。嘉義から直接は阿里山一帯の玄関口である阿里山駅までは行けません。
そして、多くの観光客は終点の十字路駅まで乗りません。これが結構重要で、途中の奮起湖(fènqǐ hú)駅まで乗車し、そこから路線バスに乗り換えます。
奮起湖駅は老街として小さな町ができているので、乗り換え時間に食事をしたり現地観光ができるのですが、十字路駅前は特に何もないので、バスの待ち時間が発生する場合は適していません。
阿里山鉄道は1日最大3往復のみの運行で、1列車80席しかありません。指定席のみで自由席はありません。予約は乗車日の14日前から開始されるので、計画的に予約しましょう。
阿里山鉄道嘉義駅は、台湾鉄道嘉義駅の中にあります。台湾鉄道嘉義駅の前站へ向かいます(後站ではありません)。
そのままホームを右方面に進むと、阿里山鉄道専用ホームの10番線があります。
2時間30分で奮起湖駅に到着します。
奮起湖駅で路線バスに乗り換えます。奮起湖駅バス停は平日と土日祝日で場所が変わるので注意が必要です。
平日はこちらの奮起湖終點站にバスが停車します。阿里山鉄道の踏切の目の前でわかりやすいです。
土日祝日は結構歩いた先にある奮起湖第一停車場という観光バスなどが停まる駐車場の横にあるバス停から出発します。これは結構わかりにくいので注意。
バスは1日3本、11:30、12:50、14:00に出発します。台湾好行バスのA線およびB線の一部が奮起湖駅を経由するので、それに乗ることとなります。
台湾好行シャトルバス A線 7329番の時刻表はこちら
台湾好行シャトルバス B線 7322番の時刻表はこちら
(参考)高鉄快捷バスBRT(新幹線シャトルバス)
台湾新幹線嘉義駅から直接台湾好行シャトルバス A線に乗らず、台湾鉄道嘉義駅まででて、シャトルバスB線や阿里山鉄道に乗車する方法もあります。その際、台湾新幹線嘉義駅と台湾鉄道嘉義駅を繋ぐのが高鉄快捷バスBRT(新幹線シャトルバス)です。
高鉄快捷バスBRT(7212番または7211番)を使えば、20分前後で台湾鉄道嘉義駅へ到着します。 台湾新幹線のチケットを提示すればシャトルバスは無料で乗車可能(通常はNTD48)です。
台湾新幹線嘉義駅の2番出口を出てすぐにBRTバス停があります。本数は比較的多いのでそこまで神経質にならなくても大丈夫です。
新幹線チケット提示で無料で乗車すると「普通代幣卡」を渡されます。降車時に運転手に渡しましょう。
台湾鉄道嘉義駅の後站に到着します。阿里山鉄道や阿里山方面の路線バスは線路を挟んで反対側の前站にあるので、駅構内の専用通路を渡っていきましょう。