【2024年最新】台湾馬祖の南竿の観光地まとめ

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連江

台北から飛行機で50分ほどで行くことができる馬祖の南竿。海の向こうに中国大陸が見える距離にある南竿は、日本人が行き慣れた台湾本島の台北や高雄とった都市とは全く異なる雰囲気。

台湾の離島でしか見られない、台湾の知られざる一面を見ることができる南竿の有名観光地を一挙まとめていきます。

南竿とは

南竿(日本語読み:ナンガン、中国語拼音:nán gān)は、台湾の連江県に属する島で、4つの主な島から成る馬祖列島を構成する島の1つです。4つの島の中でも南竿は最も広く、人口が一番多い島です(と言っても7千人くらい)。

そんな南竿には多くの飛行機、船が発着します。台湾本島からのアクセスも南竿が起点になることがほとんどで、馬祖列島内の船移動も南竿を起点にすると便利なことが多いです。

南竿をはじめとする馬祖列島は中国大陸目前にあり、台湾の最前線でもあります。そのため軍が駐留してきた歴史があり、南竿の観光地の多くはそうした軍に関係する施設が一般に開放されたものです。現在も軍は駐留しているので、一部入れない場所や台湾人しかアクセスできないような場所も存在します。

また、島ならではの大自然を感じされる場所が随所に残されており、日本はもちろん、台湾本島ですら見られないようなものもたくさんあります。

南竿のおすすめ観光地

ここからは南竿のおすすめ観光地を一挙紹介していきます。

八八坑道

南竿空港から歩いて5分ほどの距離にある八八坑道は、かつて島の人々が海賊から身を守るために使われた坑道。その後、軍が駐留するにあたり中を拡大し、戦車用の坑道として使われていました。10年の歳月をかけて1974年に完成した坑道は、当時の総統であった蔣介石の88歳の誕生日を記念して八八坑道と名付けられました。

全長273mの坑道は、正面の入り口から入ることができますが、裏側はかつて軍事利用された南竿空港へとつながっています(現在一般人は通行不可)。

その後、中華電信の機械室として活用され、1992年以降はすぐ近くの馬祖酒造工場の老酒や高粱酒を保管する場所として活用されています。中に入ると、ひんやりと冷えた坑道の中に漂うお酒の香りを楽しむことができます。

八八坑道へのアクセス
南竿空港から徒歩5分
バス停「八八坑道」すぐ(バスの本数は少ないので注意)

馬祖酒造工場(馬祖工廠)

馬祖を代表する高級酒である大麹・高梁・陳年老酒の製造を行う酒造場(馬祖酒廠)。製造現場に立ち入ることはできませんが、さまざまなお酒のディスプレイを見たり、映像作品を通してお酒について学ぶことができます。

八八坑道から徒歩2分の距離なので、併せて観光する方が多く、また目の前にバス停があるので立ち寄りやすい場所でもあります。

馬祖工廠へのアクセス
南竿空港から徒歩8分
バス停「酒廠」前(バスの本数は少ないので注意)

北海坑道

南竿の最も有名な観光地の1つでもある北海坑道。鉄板海岸と呼ばれる仁愛村(旧名:鉄板)すぐの海岸沿いの山腹に、広大な地下坑道があります。1968年に国軍の作戦上で、馬祖列島それぞれの島に小艇が停泊可能な地下坑道埠頭を開発し、軍事力を隠匿しました(いわゆる北海計画)。

中でも南竿の北海坑道は最大規模のもので、820日もの時間をかけて「井」の字に掘られた坑道は、全長640m、高さ18m、幅10mで、海水の上を小船で回るツアーを体験することができます(大人1人150台湾ドル)。

潮の満ち引きを影響を受ける北海坑道は、営業時間は8:30 – 17:00ですが、中に入れる時間は引き潮の時間だけであり、事前に調べておく必要があります(高さ18mの坑道内の水位は引き潮で4m、満ち潮で8m)。

潮の満ち引きによる坑道の開放時間はこちら(中国語)

夜には馬祖名物の藍眼淚を見るツアーも開催されます(期間限定)。

北海坑道へのアクセス
バス停「南竿遊客中心」すぐ(バスの本数は少ないので注意)
福澳港からタクシーで15分(180 – 200台湾ドル)

大漢據點

他ではあまり見られない3層構造の坑道である大漢據點は、北海坑道のすぐ近くで、同じ鉄板海岸沿いにあります。最上層が連部、第二層が生活圏や予備機関銃陣地が置かれ、最下部は4ヶ所の大砲設置場所、ブリーフィング室や中山室などがあります。幅約1.2m – 2m程しかない坑道が全長430mも続き、海に向かって設置された4ヶ所の大砲設置場所には、当時の標語が残っており、国軍が使用していた当時の様子を物語っています。

大漢據點へのアクセス
バス停「南竿遊客中心」すぐ(バスの本数は少ないので注意)
福澳港からタクシーで15分(180 – 200台湾ドル)

印地安人頭岩 – インディアン頭岩

鉄板海岸沿いにある北海坑道と大漢據點の間の地点から大漢據點方面を見ると、岩山がインディアンの頭に見えるということから名付けられた印地安人頭岩。左側の岩が顔、緑の部分がインディアンの頭につける飾り部分。見えないことはないですね。右下には大漢據點の入口が見えます。そう、この印地安人頭の内部をくり抜くように大漢據點の三層坑道は設計されています。

大漢據點へのアクセス
バス停「南竿遊客中心」すぐ、北海坑道と大漢據點の間(バスの本数は少ないので注意)
福澳港からタクシーで15分(180 – 200台湾ドル)

南竿遊客中心

南竿のビジターセンターである南竿遊客中心は、主要観光スポットである北海坑道と大漢據點があるエリアにあります。2つの観光地は共に南竿遊客中心を起点に徒歩で向かうようになっており、路線バスやタクシー、バイクなどの駐車場も南竿遊客中心を利用することとなります。

無料の給水機(台湾では定番ですね)やコインロッカーもあります。観光スポットではありませんが、観光の起点として重要な場所です。

南竿遊客中心へのアクセス
バス停「南竿遊客中心」すぐ(バスの本数は少ないので注意)
福澳港からタクシーで15分(180 – 200台湾ドル)

鐵堡(鉄堡)

鉄板海岸沿いにある岩礁に構築された軍事拠点跡 – 鐵堡。岩の中を掘り、地下坑道として存在している鐵堡の中には、坑道、射口、砲台、トイレ、厨房などの空間があります。かつては1つの兵力だけで昼夜ここを守っていたそうで、そこから鐵堡(鉄堡)という名前が来ているそう。

馬祖の軍事関係施設の多くは迷彩色に塗られていますが、鐵堡ほど迷彩色を見られる観光施設はなかなかありません。かつては対岸の水兵が深夜にやってくることがあったため、岩の表面にはガラス片を刺し、上陸を防いだそう(そのイメージも実際に見ることができます)。

また、軍犬が駐留していた数少ない拠点だそうで、犬専用のスペースがあったこともわかるようになっています。

鐵堡へのアクセス
バス停「仁愛」から徒歩15 – 20分(仁愛は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)
*鐵堡すぐにバス停があるが、これは台灣好行(ツアーバス)用のバス停で、路線バスではいけません。
福澳港からタクシーで20分(200 – 250台湾ドル)

鐵板沙灘

かつて鉄板と呼ばれた現・仁愛村の海岸沿いにあるビーチ – 鐵板沙灘。目の前には村の中心となる天后宮があります。鉄板というのは、引き潮のときにこの海岸に黒い平らな岩が現れ、当時はそれを掘り出して建築に使っていたのですが、これがとても硬い材質だったらしく、そこから鉄板と命名されたそう。

周辺はかつては政治経済の中心だったようですが、現在は別の箇所に移ったため閑散としています。ただ、住宅街は福建省東部の閩東式と呼ばれる石造りの家が多く、当時の村の状態を保存しようとする動きもあるため、一見の価値ありです。

鐵板沙灘へのアクセス
バス停「仁愛」から徒歩5分(仁愛は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

馬祖金板境天后宮

400年以上の歴史を持つ寺廟である金板境天后宮。馬祖にはほかにもいくつかの天后宮がありますが、金板境天后宮は最も当時の状態が残っている天后宮であり、閩東式特有の「封火山牆」や芸術的価値のある木造工法が豊富に使われています。同時に、馬祖地区で最も重要な文化資産とされています。

また、福州地方から伝わってきた中秋節の行事「焼塔」は、台湾では馬祖仁愛村でしか行われていない貴重なものなのだそうです。

馬祖金板境天后宮へのアクセス
バス停「仁愛」から徒歩5分(仁愛は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

媽祖巨神像

南竿の馬港という街の海岸沿い、そこから階段を登ると高台にある媽祖巨神像へたどり着きます。高さ28.8mもある媽祖巨神像は、南竿のさまざまな場所から目にすることができます。媽祖といえば、航海や漁業の守り神とされ、台湾では最も広く信仰されているとも言われています。

媽祖巨神像へのアクセス
バス停「馬港」から徒歩20分(階段あり)(馬港は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

馬祖天后宮

馬港バス停からすぐの天后宮。向かいが海になっている絶景の天后宮は、媽祖像と併せて回りたい場所です。

馬祖天后宮へのアクセス
バス停「馬港」から徒歩1分(馬港は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

馬祖剣碑

馬港バス停前にある剣のようなモニュメントの「馬祖劍碑」。この碑全体にパワーが宿っていると言わているそうです。

馬祖劍碑へのアクセス
バス停「馬港」から徒歩1分(馬港は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

民俗文物館

閩東式の建物の特徴を取り入れた民俗文物館は2002年に建て替えられたもので、老酒の甕なんかも草食として使われています。地上4階地下1階でできており、各階ごとに異なるテーマを設けています。歴史、地形、島民の生活、言語文化、建築を取り扱っています。

民俗文物館へのアクセス
バス停「民俗文物館」から徒歩2分(バスの本数が少ないので注意)

経国先生紀念堂

台湾の総統である蒋経国が1988年に亡くなった後、ここ馬祖に記念館が建築され、1994年に開幕しました。台北の中正紀念堂を参考にしており、青い屋根を持つ建物はここ馬祖では特殊です。中には蒋経国の大きな像が飾られています。

経国先生紀念堂へのアクセス
バス停「民俗文物館」すぐ(バスの本数が少ないので注意)

I Love MATSU

経国先生紀念堂の向かいにある「I LOVE MATSU」。青い空と海を一望できる高台にあり、記念撮影スポットとして立ち寄りたい場所です。

I Love MATSUへのアクセス
バス停「民俗文物館」すぐ、経国先生紀念堂の中(バスの本数が少ないので注意)

牛角聚落

南竿の島の形は牛の顔のような形をしており、その中でツノに当たる部分にある集落がこの「牛角聚落」。集落を抜けていくと小さな港が見えてきます。この場所の歴史は長く、清の時代まで遡るそう。1960年以前はこの港が馬祖で一番大きな漁港だったようです。その後、1971年に現在の「復興村」に名前が変わっています。

観光地としては、やはり海沿いに聳える真っ赤な寺廟「牛峰境」でしょう。写真は新しい「牛峰境」、この下には古い「牛峰境」が同じく赤く染まった状態で今も健在です。

牛角聚落へのアクセス
バス停「酒廠」から牛角聚落入口まで徒歩3分、牛峰境まで徒歩10分(バスの本数が少ないので注意)

津沙聚落

南竿の中で最も大陸に近い港があった津沙。金色に輝く砂浜から元々は金沙と呼ばれていたそうですが、後に津沙と変更されています。夕日が見えるビーチとしても名高く、近くに残る歴史ある建物を再利用した民宿がいくつもあります。

津沙聚落へのアクセス
バス停「津沙村」すぐ(バスの本数が少ないので注意)

津沙境天后宮

津沙聚落の中にある唯一の寺廟。

津沙聚落へのアクセス
バス停「津沙村」から徒歩2分(バスの本数が少ないので注意)

馬港観光夜市

南竿で遅くまで営業しているレストランが集まるのはこの馬港觀光夜市だけ。いわゆる夜市のように出店があるわけではなく、道の両脇にはさまざまなお店が並んでいます。

馬祖天后宮へのアクセス
バス停「馬港」から徒歩1分(馬港は路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

介壽市場

南竿の中でも政治経済の中心である介壽。路線バスの終点介壽すぐにある介壽市場は、1階や周辺の道端が市場の機能を持っていますが、2階はさまざまなお店が出店し、観光客で賑わっています。中でも台湾のSNSでよく見かけるのがこちらのハンドドリップ式コーヒー店「小漆咖啡」。また、蔥油餅のお店もいつも大行列です。

介壽市場へのアクセス
バス停「介壽」すぐ(路線バスの終点、バスの本数が少ないので注意)

蔬菜公園

蔬菜公園(野菜畑)があるのは県庁の建物がある目の前という変わった場所。ここは元々は小さな港があった場所ですが、徐々に土砂が溜まり、現在は野菜や果物を栽培する畑となっています。

蔬菜公園へのアクセス
バス停「縣政府」すぐ(バスの本数が少ないので注意)

枕戈待旦牌樓

南竿の港である「福澳港」から高台に見えるのが枕戈待旦牌樓。枕戈待旦というのは敵に対する準備を怠らないという意味。向かって右から読みます。

道路を挟んで向かい側には不思議なデザインの階段が。これを登ると大きな銅像に辿り着きます。

枕戈待旦牌樓へのアクセス
バス停「福澳村」から徒歩10分
*急勾配の坂を登る

清水境白馬尊王廟

南竿の清水にある寺廟。

清水境白馬尊王廟へのアクセス
バス停「清水」から徒歩1分(バスの本数が少ないので注意)

雲台山

標高248mの雲台山は南竿で最高峰。この場所からは馬祖列島の島々だけでなく、大陸も望むことができます。

雲台山へのアクセス
バス停「陽明橋」から徒歩10分(バスの本数が少ないので注意)
*急勾配の坂を登る

秋桂亭

海岸沿いに特殊な岩を見ることができる場所。2つの異なる色をした岩がシマウマ模様を構成するように1つの岩を成しています。

秋桂亭へのアクセス
バス停「馬港」から徒歩20分。近くにバス停はないので注意。

この記事を書いた人

飛行機や鉄道を使って日本・世界中を旅する30代会社員。ラグジュアリーホテルや飛行機のレビュー、主に台湾方面のまとめ記事を書いています。お問い合わせは日本語・英語・中国語でお気軽にどうぞ!

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