台湾本島中を走る台湾鉄道の中でも最も美しい駅と言われるのが台東にある「多良駅」。海スレスレを走る台湾鉄道と太平洋の青い海とのコラボレーションが、雑誌やポスターなどでたびたび紹介されています。
この写真は一見ホームに電車が停車しているように見えますが、この駅は現在営業をしていない駅であり、電車が全速力で通過していく様子を撮影しています。
この記事ではそんな多良駅とはどんな駅か、多良駅の中と絶景写真撮影方法について解説していきます。
多良駅とは
多良駅(日本語読み:ドゥオリャン、中国語読み:duō liáng)は、台湾の東海岸に位置する台東(日本語読み:タイドン、中国語読み:tái dōng)にかつてあった駅。
2006年7月以降旅客サービスは終了しており、全列車が通過します。駅は太平洋を背にする形で海岸線ギリギリに設計されており、普通列車・特急列車問わず全速力で通過していく姿と青く輝く太平洋のコラボが、台湾で最も美しい駅と呼ばれる所以です。
ところで、この「多良」という駅名はとても縁起がいい名前だと思いませんか。日本語の漢字そのまま、良いことが多いということになりますが、この名前には興味深い歴史があります。
この場所は、「打腊打蘭社」(Dalandalan)というパイワン族の部落があった場所で、日本統治時代の1937年に日本人により「多多良」(Tatara)と名称が変更されました。より日本語にある発音になったのだと思います。それから台湾鉄道の南廻りの駅として開業する際に名前が簡素化され「多良」の地名に変更、駅名にも適用されました。
多良駅の展望台
高架化された台湾鉄道の多良駅は、海と比べてかなり高台に設計されています。路線バス利用者も観光バス利用者も、この場所へのアクセスは多良バス停横の坂道から歩いて進むこととなります(部落住民以外の車両が坂道内侵入禁止なため)。
この写真の上に写っているのが台湾鉄道の線路です。その台湾鉄道の線路をさらに上から見下ろすことができるようになっています。坂道を登っていくと多良駅の旧駅舎が姿を表します。駅舎の屋根に登ることができ、そこが展望台の役割を果たしています。
展望台の右端から多良駅の旧ホームを見ることができます。線路の奥に砂浜が見えますが、実際にはかなり下の方にあるんです。
列車通過時刻を確認しよう
天気が晴れることは重要な要素の1つですが、重要なのは多良駅の前をいつ電車が通過するか。多良駅は金崙駅と瀧溪駅の間にあるので、この2つの駅を出発する列車の時間を把握することが最短ルート。
台東方面 —- 金崙駅 —- (多良駅)—- 瀧溪駅 —- 高雄方面
おすすめは金崙駅を出発・到着する列車を中心に考えること(ただし、これには引っかからない列車がいくつかある(後述))。瀧溪駅は小さな駅で、多くの列車が通過するので、瀧溪駅時刻表からは予測できない列車がたくさんあります。
例えば、金崙駅から南下する列車を見てみると、7:50に出発することがわかります。金崙駅を出発した列車が多良駅を通過する時刻までには3-5分(列車による)のでカメラを構えるべき時間は大体わかると思います。
逆に、北上する列車が金崙駅に到着する時刻表が以下です。7:09に到着することがわかるので、3-5分(列車による)にカメラを構えておけばよいと思います。
ただし、多良駅を通過する列車はこれだけではありません。金崙駅は全ての特急列車が停車するわけではなく、例えば太麻里→大武と停車する特急や、台東→潮州とほぼ停まらない特急も存在します。また、貨物列車も通過するので、実際はもう少し通過する列車は多くなります。
詳しくは多良駅に通過時刻が細かく書かれた書類が貼り付けてあったのでそちらを参考にしましょう。でも、常に更新されるか不明なので、自力で調べられるようにしておくと吉。
通過する車両によって変わる景色
通過するのは普通列車や特急列車(自強号)、貨物列車などがあります。下記は普通列車(區間車)が通過する瞬間ですが、奥の多良駅ホームがちょっと見えてるタイミングでシャッターを切るのがお勧め。
ホームがないとちょっと味気ない感じになります。
特急列車(自強号)については進行方向も重要な要素の1つ。というのも、台湾の特急列車は進行方向にのみ牽引車が装着されるので、後ろがなんとも不恰好になります。
普悠瑪号や最新の特急である自強号(3000)であれば後ろ側も見た目は良いのですが。
多良駅の食事とお土産
多良駅のすぐ横は観光地化しており、食事を提供したり、お土産屋さんが営業していたりします。