【乗船記】新台馬 | 基隆から南竿と東引まで船の寝台で移動しました

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連江

飛行機で馬祖へ行く方法が一般的ですが、馬祖東引は船でしか行けない秘境。今回、基隆港から夜行フェリー「新台馬輪」に乗って、南竿経由で東引まで向かいました。

南竿まで台北から飛行機で行って、そこから船に乗る方法もあるのですが、夜行フェリーの方が時間を有効に使えてかつ安いので個人的にはこちらがおすすめ。

出発前の港の雰囲気から、寝台で過ごす夜、東引に到着する朝までをレポートします。

新台馬とは?(船の概要)

もともとこの航路には古い船(台馬之星)がありましたが、その後継として登場したのが新台馬輪です。新造船だけあって、船内はとても清潔で快適でした。

新台馬(新台馬輪)の設備についてはこちらの記事で詳しくまとめています。

予約はVPN必須?やや特殊な予約サイト

今回予約したのはエコノミークラスの寝台(臥舖)。出発の1か月以上前に日程を確認しながら予約しました。寝台は料金が手頃でありながらプライベートな空間が保たれており、コストパフォーマンスが非常に高いと感じました。

ただし注意点として、公式予約サイトは日本から直接アクセスできない場合があり、VPNを使わないと予約画面が開かないことがあります。

また、寝台の上段・下段や位置番号は指定不可。当日のチェックイン時に初めてベッドが確定します。

チケット発券は早めに行うことが大切

今回の旅で一番ヒヤッとしたのが、チケット発券のタイミングでした。予約完了後に送られてきたメールには、以下のような注意書きがあります。

島際航線(短程部分南北竿,莒光,大坵)請於開航前10分鐘辦理取票動作
長程航線(南竿、基隆、東引)請於開航前1小時辦理取票動作
台北港航線(南竿、台北港)請於開航前30分鐘辦理取票動作
如未依規定視同放棄

請注意:若您需要任何服務,可電洽承攬航商
全港通航業股份有限公司 電話: (02)2425-6777
或電洽馬祖海上訂位購票系統客服專線:0800-888230
服務時間:8:00-12:00 , 13:30-17:00

特別提醒:航班因天候等不可抗力因素停航,航商將主動全額退票,如有訂購其他航班行程需取消,請主動聯絡各航商或客服協助辦理退票。

取票方式
(1) 乘船處櫃檯或自助取票機 (須備妥身分證件備查)
(2) 7-ELEVEN門市內ibon機台 (限取全票、半票兒童與半票敬老)
(3) 小三通僅限櫃台取票

選擇ibon取票
(1) 取票時請輸入UVZ00(後2碼為數字0)+訂位代碼8碼,共13碼 (取票時請完整輸入)
(2) 至遲請於乘船4小時前至ibon機台操作
(3) ibon操作路徑:
方式一:ibon機台->代碼輸入(輸入UVZ開頭)
方式二:ibon機台->購票->交通票->船票->馬祖海上交通->取票

つまり、長距離航路(基隆・南竿・東引行き)は出航の1時間前までに発券しないと、予約放棄扱いになるというルールです。

私はこのルールを見落としていて、出発の約2.5時間前に台北市内のセブンイレブン(ibon端末)でチケットを受け取ろうとしたところ、「受け取りできません」というエラーメッセージが表示されてしまいました。

調べてみると、ibonでの取票は乗船4時間前までに操作を完了する必要があり、それを過ぎると現地窓口でしか発券できません。

しかも、問い合わせ電話の受付時間(8:00〜17:00)を過ぎていたため、港の有人カウンターに行くしかない状況に。この時点で乗船時間の21:30の1時間前である20:30に基隆に到着できないことが確定していたため、最悪チケットがキャンセル扱いになるかもしれないという状況で台北から基隆へと向かいました。

21:00台湾鉄道基隆駅に到着。走って基隆港の船着場へと向かいました。

僕は基隆に10回は行っていて、駅の出口と港のターミナル(複数あります)の位置関係を一応知っていたので最短で行けましたが、絶対こんなことにならないように余裕を持って行ってくださいね。。

幸い、時間が過ぎていても基隆港のカウンターでパスポートと予約番号を提示して無事に発券してもらえましたが、キャンセル待ちがいたらそうはいかなかったかもしれません。

台湾に到着したら真っ先にセブンイレブンにいってibonで発券しましょう。

取票に関する基本ルール(要約)

発券方法締切時間備考
現地港カウンター/自動機出航1時間前までパスポート必須
7-ELEVEN(ibon)出航4時間前までUVZコード+予約番号13桁が必要
小三通航線窓口のみ特例航路

チェックインと乗船までの流れ

乗船時刻は21時30分と書いてありましたが、実際には21:00前からすでに開始していたようです。基隆駅の先頭車両側にある「西岸旅客碼頭」が馬祖行きの船が出るターミナルです。2階に上がって手続きを完了させます。

僕は港で発券手続きをしましたが、事前に発見していればおそらくチェックインのような手続きは要らないかもしれません。

チケットを発券できました

荷物の預け入れは不要(スーツケースごと持ち込みOK)ですが、乗船前に手荷物検査(空港形式のスキャン)を通過して、港の建物2階から船内へ乗り込みます。

客室と寝台(臥舖)の様子

臥舖(ウォープー)フェリーや夜行列車などで使われる「寝台(ベッド席)」のことです。

位置と構造

寝台(臥舖)は1階と3階に設置されていますが、3階は通常は使用されていないようで、一般乗客は基本的に1階の寝台室を利用します。

今回は上段ベッドでしたが、スーツケースを下にしか置けないので、個人的には下段の方が荷物へのアクセスが楽だと感じました。

設備と相部屋の雰囲気

・上下2段ベッド構造(1室約50人、全体で3部屋ほど)
・枕・シーツ・掛け布団付き
・各ベッドにコンセント(USB非対応)あり
・小型金庫もあるが、故障で使えなかった
・個室ではないため、貴重品はリュックで常時携帯がおすすめ

相部屋ですが、みんな静かに過ごしていました(船酔いを避けるように皆深い眠りについていた気がします)。照明はついたままで、結構寒いのが注意点。

出航と夜の船内

売店と食事事情

22時30分の出航前から、船内の売店が営業を開始。深夜ごろまで開いています。

売店営業時間
7:30 – 8:30
10:30 – 13:30
21:30 – 23:30

売店では台湾ビールや冷凍ライスバーガーなどが買えますが、値段が高めで、品揃えも限定的。多くの台湾人乗客は、出発前に基隆港のコンビニで食料を購入しており、船内では持ち込んだ食事を取っていました。

私は売店で台湾ビールとライスバーガーを購入し、ロビー席で簡単に夕食をとりました。次に利用する人は、出航前にコンビニで食料を調達しておくのがおすすめです。

デッキから眺める基隆の夜景

食後はデッキへ出て夜の港を散歩。造船所のライトが海に反射して幻想的な光景でした。

沖に出ると「基隆嶼(ジーロン島)」の姿が月明かりに浮かび、夜空には満天の星。iPhoneで手持ちでも星が撮れるほどの美しい夜でした。

夜明けと南竿への到着

「馬祖頌」が流れる朝の船内

朝5時50分ごろ。船内に突然音楽が流れます。最初は軍歌のように聞こえて驚いたのですが、実はこれは馬祖地域の象徴的な曲「馬祖頌」。フェリーで馬祖に向かう人なら、必ず耳にするのがこの「馬祖頌」という曲です。「馬〜〜〜祖〜〜〜海的家鄉〜〜〜(馬祖、海のふるさと)」という伸びやかな歌声から始まるこの曲は、馬祖の美しい風景と歴史を描き、島の人々の郷愁を歌った作品です。

この歌は、フェリーが馬祖に到着する約20分前に必ず流されます。かつて多くの若者が兵役で馬祖に派遣されていた時代、この曲を聞くと「もうすぐ部隊に戻る」と感じたという人も多く、退役後に再びこの歌を聞くと涙がこぼれる——そんな思い出の曲でもあるようです。

外に出てみると、ちょうど船は南竿島(Nangan)と北竿島(Beigan)が目の前に見えてきていました。遠くに二つの島影が並んでいます。

「ついに馬祖の島々まで来たんだ」と実感する瞬間。去年訪れた南竿の記憶がよみがえり、懐かしさと旅の興奮が混ざり合う、美しい朝の光景でした。

南竿の様子
牛角聚落が見えました

南竿港での停泊

朝6時30分ごろ、予定より少し早く南竿港に到着。多くの乗客がここで下船します。

南竿は馬祖列島の中心地で、貨物の積み下ろしも多く、船は約3時間停泊します。僕はその間、船内で仮眠を取ったり、甲板で朝の空気を感じたりして過ごしました。

東引への再出航

午前9時30分、南竿を出発。船は再び北へ向かい、南竿から北竿付近を遠っていきます。

正面に北竿が見えます

途中で航路の左手に亮島(Liangdao)が見えるはずですが、この日は曇りで視界が悪く、確認できませんでした。

それでも、見慣れた南竿の景色が小さくなっていく中で、新しい目的地・東引へ向かう航海はまさに「新たな冒険」のようでした。

東引到着|台湾最北端の島へ

そしてついに東引が視界に入ってきました。うっすらと見えるのがわかりますか?

航行時間は約2時間半。波は穏やかで、11時30分ごろ予定通り東引港に到着しました。

白い断崖と青い海、遠くに見える東引灯塔。港に降り立った瞬間、潮風と冷たい空気が顔を打ち、「本当に台湾の最北端まで来たんだ」と実感しました。

長い夜行航海を終えた安堵感と、新しい土地への期待が入り混じる、忘れられない到着の瞬間でした。

まとめ|夜行フェリー「新台馬輪」で感じたこと

・予約はVPN必須・早めの手続きがおすすめ
・寝台(臥舖)は快適だが貴重品管理は自分で
・食料は港のコンビニで事前購入がベスト
・夜のデッキからの星空と朝焼けは必見
・南竿→東引の航海は“島旅のクライマックス”

飛行機では味わえない「時間をかけて海を渡る旅」。基隆から東引までのフェリー移動は、台湾の離島をじっくり感じる特別な体験でした。

この記事を書いた人

飛行機や鉄道を使って日本・世界中を旅する30代会社員。ラグジュアリーホテルや飛行機のレビュー、主に台湾方面のまとめ記事を書いています。お問い合わせは日本語・英語・中国語でお気軽にどうぞ!

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