台湾本島から馬祖列島や東引島への旅を調べていると、「先東後馬」や「先馬後東」という表現を見かけることがあります。
文字だけを見ると難しそうですが、これはフェリーの運航順序を表す言葉です。つまり、「どちらの島に先に寄港するか」を指しています。
この記事では、この2つの言葉の意味や使われ方を、日本人旅行者にもわかりやすく整理して解説します。
馬祖列島と東引の位置関係をおさらい

まず、地図上の位置を簡単に確認しておきましょう。
馬祖列島自体は36の島(そのうち上陸できるのは5つ程度)から成りますが、馬祖の中心は南竿という島。行政機関もここにあります。
東引は南竿からフェリーで2.5時間ほどかかる場所にあります。
「先東後馬」「先馬後東」の意味
フェリー「新台馬輪」や「台馬之星」は、基隆・馬祖・東引を結ぶ長距離航路を運航しています。一部を除き原則この3拠点をぐるっと1周する航路が組まれています。
時計回りと反時計回りの航路が存在し、これを中国語では「先東後馬」「先馬後東」のように表記しているのです。
| 表現 | 意味 | 航路の順序 |
|---|---|---|
| 先東後馬 | 「先に東引へ行ってから馬祖へ戻る」 | 基隆 → 東引 → 馬祖(南竿) |
| 先馬後東 | 「先に馬祖へ行ってから東引へ向かう」 | 基隆 → 馬祖(南竿) → 東引 |
つまり、「先東後馬」も「先馬後東」も出発地は基隆で、寄港順が異なるだけです。
実際の運航スケジュールでの違い
「新台馬輪」や「台馬之星」は1日1便の夜行フェリーが基本ですが、原則出航日が奇数日か偶数日かによって、寄港順が変わります。
| 出発日 | 航路タイプ | 順序 | 到着時刻(目安) |
|---|---|---|---|
| 奇数日(1日・3日・5日…) | 先馬後東 | 基隆 → 南竿(朝着) → 東引(午前着) | 南竿6:30頃/東引11:30頃 |
| 偶数日(2日・4日・6日…) | 先東後馬 | 基隆 → 東引(朝着) → 南竿(午前) | 東引6:30頃/南竿8:30頃 |
というルールで運航されています。
旅行者にとっての注意点
✅ 行き先を間違えないように!
例えば、東引に行きたいのに「先馬後東」の便を選ぶと、一度南竿で停泊したあとに再出発することになります。
✅ 帰りも同様に「先東後馬」「先馬後東」パターンがある
帰りの便では、「どちらから基隆に戻るか」で表現が逆になります。
たとえば、東引にいて「先馬後東」のフェリーに乗る場合、次は基隆となりますが、「先東後馬」だと、馬祖(南竿)を経由して基隆へと帰ることになります。
実際の時刻表を見てみる
では、実際の時刻表を見てどのようなスケジュールになるのかを考えてみましょう(これが結構難しいんです)。
こちらのサイトに向こう3ヶ月分の運航予定が開示されます。

⚠️まず、ここで言う日付は基隆港を出発する日付になります。ですから、もし南竿や東引から乗船したい場合は、乗船したい日付の前日が基隆港を出発する日になるので、その日付を参照する必要があります。
⚠️たまに例外があります。たとえば上記の10月1日は奇数日ですが先東後馬になっています。
こうして見てみると「先馬後東」「先東後馬」によって経由地での停泊時間に大きな差があることがわかります。「先馬後東」では南竿で3時間停泊しますが、「先東後馬」では南竿に1時間しか停泊しません。東引はどちらも30分だけですね。貨物の関係のようですが、現地での行程を考える際に3時間のタイムロスが後々効いてくるかもしれないので、ここは理解しておきましょう。

