旅行予約サイトAgoda(アゴダ)でホテルを検索しているときに、「キャッシュバック特典」という表記を見たことはありませんか?キャッシュバックというのは先に代金を支払って後から返金するという意味ですが、この仕組みはどんな内容なのか、本当にお得なのか、後から返金されないということは無いのかについて解説していきます。
アゴダはホテルを安く購入できるイメージがあるけれど、一方でカスタマーサポート周りでのトラブルは昔からよく聞きますよね。
そうなの。だから、聞き慣れないキャッシュバック制度はなんだか不安だなあ。
アゴダ キャッシュバックとは?
アゴダ キャッシュバックの正式名称は「アゴダ キャッシュバック特典プログラム」といいます。アゴダが予約特典として後から一定の金額をキャッシュバックするというものです。
上記の例だと後から500円返ってくるので、結果的に9,500円で宿泊できることになります。
キャッシュバックを受けるには、予約からキャッシュバックに関する申請(宿泊後)において以下の項目を満たす必要があります。
基本的に上記の条件は普通に宿泊していれば満たすことができる条件だと思います。
キャッシュバック対象プランの見分け方
アゴダサイトで扱うすべてのホテルと宿泊プランがキャッシュバック対象というわけではありません。対象の場合は、以下の箇所にキャッシュバックという記載があります(赤枠の部分)。
キャッシュバックの仕組み
ところで、このキャッシュバックはいつ返金されるのか気になりませんか?答えは「チェックアウトの60日後から最大120日間の間に返金される」になります。チェックアウトから2ヶ月〜4ヶ月での返金が長すぎると感じる方もいるかもしれません。
ホテルへの支払いが現地払い(ホテルでの支払い)であれば上記のように2〜4ヶ月後ですが、予約と同時に決済が完了し、チェックインが3ヶ月後といったケースになると、3ヶ月+2〜4ヶ月=最大7ヶ月後の返金になってしまうんです。
とにかく結果的に安ければいいという方は問題ありませんが、
– 何ヶ月もの間アゴダにお金を預けておく(という見方もできます)
– チェックアウト後に申請しないと返金されない(忘れると戻ってこない)
といった側面がある点(リスクになります)をきちんと理解しておく必要があります。特にこの申請については何ヶ月も先のことだとついつい忘れがち。アゴダからメールが都度来るようなのでリマインダーはあるのですが、それでもたとえば数百円のキャッシュバックを何ヶ月も気に留めておくことが良いのか、少し考えてみても良いかもしれませんね。
実際の申請方法から返金完了までの流れはこちらにまとめています↓
では、アゴダ以外の他社と比較したときに果たして本当にお得なのか、見ていきましょう。
キャッシュバックって本当にお得なの?
ここではアゴダと日本の旅行大手JTBが運営するるるぶトラベルを例に比較してみたいと思います。
検証例:2023年7月10日から1泊2日で大人2名、ホテルJALシティ羽田 東京のPrime Floor Double Room – Non-Smokingルームとします。
アゴダの場合:
まず、41,395円というのは無視しましょう。アゴダのこの定価っぽく見せているものは根拠が不明なもので、ついついすごく値引きされているものと勘違いしてしまいますが、そんな値段で販売されていることは無いと思います。
ここでは18,900円が本来の販売価格で、キャッシュバック特典が2,835円なので、割引後の価格は16,065円になります。これが「結果的に」ユーザーが支払う金額になります。「結果的に」と書いたところがポイントで、実際に決済ページに行くとわかるのですが、ホテル宿泊時に支払う金額は18,900円なんです!!
え、16,065円ではないの?と思いませんか?ホテル一覧やプラン一覧に記載の16,065円というのは、後日キャッシュバックを受け取った段階で最終的に支払ったとされる金額のことであり、予約時点ではキャッシュバック前の18,900円を支払うこととなります。
これ、個人的には価格の不当表示、有利誤認で景表法違反ではないかと思いますが、まあ海外の企業にそんなこと言ったところでって感じですかね。
差額の2,835円はチェックアウトの60日後から最大120日間の間に受け取り申請が可能となっているので、忘れた頃に差額が返ってくることになります。言い換えれば、この期間、2,835円をアゴダに預けておくということです。これは、アゴダから見れば数ヶ月の間2,835円を余分にもらうことでキャッシュを獲得し運用することができるので、メリットではあります。消費者から見れば2,835円は後から返ってくるので結果安くなりますが、数ヶ月の間自分のお金を人質に取られているとも言えます。そして、記憶の新しい「てるみクラブ」のように、突然倒産して返金されないリスクもあるでしょう(もっともアゴダの規模でそれがすぐに起こるとは思えませんが)。
この辺りを総合的に考えてキャッシュバック制度を利用するか判断する必要があります。
では、キャッシュバック特典を利用してまでアゴダが安いのか、気になるるるぶトラベルの同じプランを見てみましょう。
るるぶトラベル:
同じお部屋のプランを見てみると、おそらく下段の17,500円のプランがアゴダのものと同等では無いかと思います(上段は返金不可プランなので安い)。自動発行クーポン無しで17,500円、クーポンありでも17,150円となりますし、上段の返金不可プランでも16,268円なので、アゴダの16,065円の方が安いことになります。
最終的な安さで言えば、このケースの場合はアゴダですが、その場で一旦支払う金額は18,900円なので、るるぶトラベルのどちらのプランよりも高いことになります。どちらを選ぶかは皆さん次第です。今を優先するのか、数ヶ月後を優先するのか、です。
他社と比較するともっとお得なものが出てくるかもしれないので、やはり他社との比較は十分にした上で選択するようにしましょう。
キャッシュバックって危険じゃないの?詐欺では?
まず、キャッシュバック特典が詐欺では無いかという問いに対しては、ノーとお伝えします。私自身何度もキャッシュバック特典の利用で返金を受けていますし、この仕組みは特段問題ないと思います(個人的感想)。
危険かどうかについて、アゴダの利用規約を引用する形で2点お伝えしておきたいと思います。
5.キャッシュバック特典は、当社から大切なユーザーであるお客様への贈り物であり、当社の単独かつ絶対的な裁量に委ねられ、常にそうであり続けるものとします。この点にご留意ください。お客様は、当社が常にキャッシュバック特典に関してお客様に対していかなる義務も負わないこと、また、お客様がキャッシュバック特典に関して当社に対していかなる請求もしないことを理解し、承諾します。当社はいつでもキャッシュバック特典プログラムを中止する権利を有します。その後、ユーザーはキャッシュバック情報を提出することでユーザーからすでに申請されたキャッシュバック特典を除き、相殺またはその他の方法で、さらなるキャッシュバック特典(獲得日(下記第7条に定義)に達したキャッシュバック特典を含む)を申請し受け取ることはできません。
https://www.agoda.com/info/agoda-policies.html
これ、しれっととんでもないことを言っています。「キャッシュバック特典に関してお客様に対していかなる義務も負わない」、「当社はいつでもキャッシュバック特典プログラムを中止する権利を有します」とあり、何らかの事情でキャッシュバック特典を突如終了することがある=期待していた返金がされないケースが起こりうるということだと思います。このリスクは理解しておきましょう。
もう1つは、キャッシュバック特典の受領には期限があるということ。チェックアウトの60日後から最大120日間の間に受け取り申請が可能なので、忘れた頃に手続きが開始されます。過去の経験上、複数回アゴダからメールが届くのできちんと対応すれば返金されるはずですが、忘れてしまうと返金されず結果的に高くつくことになります。